Excelのヒント:グラフ編

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グラフ編

凡例

凡例の消去

データ系列一つの場合、グラフを表示させると、その右側に「系列1」という文字列(凡例という)があります。これはデータ系列が複数ある場合に識別 するためにありますから、データ系列が1本しかない場合は不必要です。これを消すためにはその文字の上にマウスカーソルを運び、右ボタンクリックして「削 除」を選択してください。

凡例の変更

データ系列が複数の場合、何も考えずにグラフを描かせると、凡例が表示され「系列1」「系列2」のような文字列が表示されます。これを意味あるもの に書き換えるには、次のようにします。

   1. グラフの上でマウスの右ボタンをクリックしてポップアップメニューを表示させ、「データの選択」をクリック。
   2. 「凡例項目」に並んでいるデータ系列を順番に編集する。具体的には、
   3. データ系列をクリックし「編集」ボタンを押す
   4. 「系列名」の箱に系列名を入力するか、系列名の入力されているセルをマウスでクリックして「OK」ボタンを押す。

グラフをクリックすると、数式バーにグラフを描く関数が表示される(=series(...))。その最初の引数が凡例の文字なので、そこに直接文 字列を入力してもよい。


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(グラフ)軸の書式設定

表示させる x の範囲を変えるためには、「軸の書式」を書き換えます。例えば、横軸の数字が表示されているあたりにマウスアイコンを運び、右ボタンをクリックしてポップ アップメニューを表示させ「軸の書式設定」メニューを選びます。表示された「軸の書式設定」ウィンドウの「軸のオプション」画面で、最小値、最大値を「固 定」にして、その数値を入力し(例えば -4 のように)「閉じる」をクリックします。

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折れ線グラフと散布図(直線)

欠測値のある場合の折れ線グラフ

年次データのような時系列データを折れ線表示させる場合、普通は「挿入/グラフ/折れ線グラフ」を使いますが、記録されている年次が(最近のデータ だけ毎年で、過去は5年おき、のように)不等間隔の場合、折れ線グラフを使うと、印象の違うグラフになってしまいますから、横軸の間隔を経過年に合わせて きちんと取らなくてはいけません。このような場合は「散布図(直線)」 グラフを使います。

折れ線グラフの場合、項目は文字データと見なしているので、項目軸は等間隔に取られるのに対して、散布図の横軸は数値データとして、その数値の大き さに見合った位置にデータを配置します。

散布図(直線)と散布図(平滑線)

関数のグラフを描く場合は、独立変数とそれに対応する関数値の値を計算したテーブルを作り、それを散布図(直線)を使って折れ線グラフを描きます。 散布図のオプションには「散布図(平滑線)」という選択肢があり、データポイントをなめらかな直線で結んでくれますが、できあがった曲線が正確なものであ る保証はありません。たとえば、下の図はf(x) = |x|(絶対値)のグラフですが、原点で急に滑らかな曲線になっていて、見慣れている絶対値のグラフとはかなり印象が違います。

平滑線を使った間違った散布図グラフの例

散布図(直線)の一部の線を消す

関数表 (x1, f(x1)), (x2, f(x2)), ... をグラフ表示する場合は、シートにその関数表を計算し、x1, x2, ...を大きさの順に並べて、散布図(直線)を使って表示する。このとき、たとえば、i 番目の点と i+1 番目の点の間は(不連続なので)線で結びたくな い、という場合は xi と xi+1 の間に空行を入れればよい。

例 直角双曲線のグラフを描く

  1. セルA3:A43に-2から2まで、0.1刻みの数を入力し、セルB3に「=1/A3」と入力してそれをセルB4:B43にコピーペーストす る
  2. セルA23:B23からデータを消去して空白にする
  3. セルA3:B43を選んで、「挿入/グラフ/散布図/散布図(直線)」メニューを選ぶ

例 階段関数のグラフを描く

x0 から x1 までは y1 で一定値、x1から x2 までは y2 で一定値、... というような階段関数を描くつもりで、(x0, y1), (x1, y1), (x1, y2), (x2, y2), (x2, y3), (x3, y3), ... という点をテーブルとして入力し、それの散布図(直線)グラフを描くと、階段状のグラフが描けるが、階段関数としては縦棒が不要なので、消去しなければい けない。

縦棒を消去するためには、(x1, y1) と (x1, y2)、 (x2, y2) と (x2, y3)、... の間に空白行を挿入すれば良い。


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すでに描いた折れ線グラフに新たなデータ系列を追加する

追加するデータ系列を選んでコピーし、グラフのウィンドウのどこかをクリックしてペーストしなさい。

2本の棒グラフの軸を別々に設定したい

大きさがかなり違う二つの系列をグラフで並列表示させたい場合、縦座標の目盛りを別々の表示させる機能があります。標準的には一つを棒グラフ、一つ を折れ線グラフにして、片方のグラフに「第2軸を利用」するオプションを適用します。
「系列1」と「系列2」のグラフが表示されていて、「系列2」を第2軸利用として棒グラフ表示させる場合を例として説明します。

  1. 「系列2」の折れ線の上にマウスを運び右クリックし、ショートカットメニューから「データ系列の書式設定」メニューを選ぶ。
  2. 「データ系列の書式設定」ウィンドウで、「系列のオプション」→「使用する軸」として「第2軸」ラジオボタンをチェックする(閉じる)
  3. 「系列2」の折れ線の上にマウスを運び右クリックし、ショートカットメニューから「系列グラフの種類の変更」メニューを選ぶ。
  4. 「グラフの種類の変更」ウィンドウで、「縦棒」の最初のアイコンをクリックする(OK)

右クリックの代わりにリボンメニューを使った次のような方法もある。グラフを扱っているとリボンに「グラフツール」という新たなタブグループが表示されるので、それを利用する。

  1. 「レイアウト」→「現在の選択範囲」→「グラフの要素」メニューをクリックし、リストの中から「系列2」をクリックする
  2. 上の項目2と同じ
  3. (系列2が選択されていることを確かめて)「デザイン」→「種類」→「グラフの種類の変更」ボタンをクリックする。
  4. 上の項目4と同じ

塗りつぶしパターンの選択(白黒印刷の場合)

円グラフのような面グラフの場合、データは色分けして表示されるが、白黒印刷する場合、その違いが分かりにくい。その場合は「パターン」を使って塗 りつぶす。

例えば円グラフの場合、

  1. 円グラフの上をクリックし、パターンを変えたいデータの上をもう一度クリックして、そのデータの扇部分を選択する。
  2. 右クリックして、表示されるポップアップメニューから「データ要素の書式設定」を選択する
  3. (リボンを使う方法)「(グラフツールの)書式」→「現在の選択範囲」→「選択対象の書式設定」ボタンをクリックする、としても良い
  4. 「データ要素の書式設定」ウィンドウで、「塗りつぶし」→「塗りつぶし(パターン)」を選択し、表示されるパターンの中から適当なものを選ぶ。

Excel2007の場合は、この機能がないので、自分でパターンを作ってそれを表示させるようにする。たとえば

  1. 描画機能を使って5センチ四方くらいのエリアに数ミリ間隔で平行線を書き、それを全部選んでコピーする。
  2. 円グラフの上をクリックし、パターンを変えたいデータの上をもう一度クリックして、ペーストする

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誤差範囲の表示

シミュレーション結果、調査結果などを統計処理して、推定結果を表示する場合は、推定誤差を表示したいものです。箱ひげ図の「ひげ」のように、信頼区間が分かるように描くには「誤差範囲」オプションを使います。例えば、パラメータを5通りに変えて平均値を推定した結果の信頼区間を一括表示するという場合を想定して説明しましょう。

  1. セルA4:A8に、データ系列名を入力
  2. セルB4:B8に、各データセットの平均値を入力
  3. セルD4:D8に、各データセットの標準偏差の1.96倍を入力
  4. セルC4に「=D4」と入力して、それをセルC5:C8にコピーペースト
  5. セルA4:B8をアクティブにして、折れ線グラフを描く(「挿入」タブ「グラフ」グループの「折れ線/2-D折れ線」ボタンをクリック)
  6. 「グラフツール・デザイン」タブ「グラフ要素を追加」グループの「誤差範囲/その他の誤差範囲オプション」メニューをクリック
  7. 「誤差範囲の書式設定」ウィンドウの「縦軸誤差範囲」の「誤差範囲」の中から「ユーザ設定」ラジオボタンをクリックして、「値の範囲」をクリック
  8. 表示される「ユーザー設定の誤差範囲」ウィンドウで、「正の誤差の値」にセルD4:D8を、「負の誤差の値」にセルC4:C8を入力してOKボタンをクリック
  9. グラフを右クリックして「データ系列の書式設定」メニューを選ぶ
  10. 「線」は「線なし」、「マーカー」は「組み込み」「サイズ7」を指定する

注意 最初の「デザイン」タブで、「誤差範囲」のサブメニューを選ぶとき、メニューにある「標準誤差、パーセンテージ、標準偏差」を選ぶと何が表示されるか分からないので、使ってはいけません。

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