Word+Excelを利用した賢いレポートの仕上げ方

 レポートは内容がいい加減なものであれば、提出する意味がないことは言うまでもありませんが、内容がよくても汚い字で乱暴にかかれていたり、しわくちゃになっていたりすれば、読む気が起きませんから、いくら内容がよくても無駄になってしまいます。中身の書き方は別として、形式的に注意すべきことを気がつくままにリストアップしておきます。なお、ガイダンスの時に配布した「学習のガイド」にある「レポートの書き方」と一部ダブる部分もありますが、大事なことなので、あえて、重複を避けてはいません。

Wordの使い方

  1. レポートは指定されなければワープロを使って書くのが、標準。用紙はきれいなコピー用紙(白紙)を使うこと。
  2. プリンタの品質が悪いために読めない、というレポートを時々見かけますが、それは言い訳にはなりません。
    (これはレポートの問題ではありませんが)もし、大学のプリンタで問題があるとすれば、事務所にクレームを付けてください。共用のプリンタが自分の使用中に故障した場合は、ちゃんと届け出てから、別のプリンタを使うようにして、故障を放置しないでください。
  3. 資源の節約のため、指定される場合以外は表紙と本文を区別する必要はありません。また、レポートを厚くするため(なのかしら)に最後に白紙を何枚か添える習慣はやめましょう。
  4. レポートの先頭には、必ず を最初に書くこと。
  5. 題字、名前、各節の見出しなどは、ゴチック、あるいは太字を使うなど、目立たせるような工夫をすること。
  6. ページ番号を打つこと(ふつうはページの下中央)
  7. 講義資料以外のものを参考にした場合は、レポートの最後に必ず、「参考文献」あるいは「参考資料」として、その出典(レポートを読む人が、それをチェックできるように、必要な情報をもれなく記したもの)を書くこと。
  8. ワードの場合標準で新しい文書を開くと、ページの四隅にエル字型の記号が薄く書いてあります。その角の点を結んだ長方形の内部が本文の領域です。周りの空白はマージンといいます。ふつうに文章だけを書いている場合は自動的に改行をしてくれますが、図のようなものを張り付ける場合、大きさによってははみ出してしまう場合があります。「プリントプレビュー」を使って確認してください。もしはみ出している場合は縮小するなり、分割するなりしてマージンに図などがはみ出さないようにしてください。
  9. 行間はあまり詰まりすぎていても見にくいし、かといってあまり開きすぎていても間が抜けます。書式メニューで調整すること。特別な意図がない限りはワードのデフォルトを使いなさい。
  10. 技術的な文書には英語の記号や数式が入ってきます。英数字は半角が原則です。直接入力モードで入力すること。また、ワードの場合、式は数式エディタを使うことが望ましい。数式エディタの使い方は、この後の別記事参照。
  11. 印刷する前に必ず「プリントプレビュー」を使って全体の仕上がりをチェックすること。最後のページが1行しかないとか、節の見出しがページの1番下の行になっているとか、表が2ページに分かれてしまうとか、みればすぐに気がつくような不体裁をなおしてください。
  12. 一行の文字数がやけに少ない、というレポートを時々見かけます。これは「両側揃え」という書式を使っている場合の欠点です。次の行の適当なところに空白文字を挿入すると解決できます。試行錯誤で試してみてください。

 その他、ワードのいろいろな使い方について、ヒントのページがありますので、参考にして下さい。

数式の入力

Wordには数式を表示させるための特別な道具が用意されていて、それを使うと、市販のテキストのようなきれいな数式を作り出すことが出来ます。慣れるまでは、結構煩わしく、手で書いた方がよっぽど早いのですが、卒業論文では、数式も含めてすべてワープロで作成されることが必須ですので、今から少しずつでも慣れておいた方が良いでしょう。

数式は「数式エディタ」という特別のエディタを使います。「挿入」タブの「記号と特殊文字」グループにある「数式」ボタンをクリックすると、数式エディタが表示されます(「ここに数式を入力する」という文字列が表示されます)。と同時に、上部に「数式エディタ/デザイン」タブが表示され、いろいろな数学記号が入力可能になります。

入力は半角です。また、最初Ctrlキー+「i」を入力してから開始して下さい。たとえば「a+b」と入力すると、普通の「a+b」ではなく、数学の教科書にあるような斜体の文字が表示されるはずです。

例えば、「構造」タブの「分数」ボタンをクリックすると文字の入っていない分数のような形をしたもの(テンプレートといいます)がいくつか表示されるので、適当なものをクリックします。そうすると、数式エディタの中にテンプレートが表示されるので、点線枠をクリックして必要な文字を入力します。テンプレートには分数の他にも、上付き文字下付き文字、べき乗根、積分、和、行列、極限など、いろいろなものが用意されていますから、適切なものを選んで入力します。

数学の記号やギリシャ文字など、特殊な文字を入力するには、「記号と特殊文字」グループの中から文字記号テンプレートを表示させて、その中から選びます。最初表示されている「±∞、...」の中に必要なものがあれば、それをクリックすると数式エディタに入力されます。ない場合は、記号パネルの右下にある▼をクリックします。そうすると基本数式という文字列と▼が左上に表示されるので、それをクリックすると、「ギリシャ文字」「演算子」のようなメニューが表示されるので、その中から適当なものを選んで文字記号パレットを表示させ、必要な文字記号をクリックします。

Excel で作った表をレポートに貼り付ける場合:

  1. ワードに貼り付けたとき、コラムの幅が小さくて2行に表示される場合があります。その場合はタブを調整してコラムの幅を広げ、見やすくなるようにしてください。もし見出し行のコラムが異常に長くてバランスを欠く場合は、長い見出しを省略表現にして、本文中で補足説明するか、表の下に注釈を入れてください。
  2. Excel で小数点以下1桁を表示するようにしても、ワードにコピーすると、小数点以下何桁でも表示されてしまいいます。その場合は自分で削除するしかありません。
  3. ほとんどの場合、小数点以下の数字はホンの数桁、時には2桁程度しか意味のない数字です。「有効桁」という概念をしっかり身につけて、意味のない数字は表示しないようにしましょう。
  4. 図もそうですが、貼り付ける表が大きい場合は縮小するなり、分割するなりして、ワードのマージンにはみ出さないように気をつけてください。最終形はきちんと確認してください。
  5. 表にはなるべく表番号(通し番号)を付けて表題を書いて下さい。それを置く位置は表の上です。できれば本文の字体と変えた方がよいでしょう。
  6. 表題の上と、表の下には必ず空白の行を入れて、本文と分離させて下さい。
  7. 長い表を載せようとすると、2ページ以上にわたって続くことになります。あまり良いこととは言えませんが、どうしてもそうしなければいけないときは、最初のページに全部で何ページ分の表であるということを明記して下さい。また、2ページ以降でも表題とデータを説明するタイトル行を各ページの冒頭に入れて下さい。表題は最初のページと同じもので、最後に(続きその2)というような説明を入れて下さい。

 

Excel で作った図をレポートに貼り付ける場合:

  1. 系列が複数ある場合、画面では色分けされて表示されますが、印刷すると、その区別が付かなくなる場合もありますので、印刷したもので確かめて下さい。特にカラー画像をモノクロ印刷する場合は要注意です。
  2. Excelで図にタイトルを付けると図の上に表示されます。たいていの教科書を見てみると、図の説明は図の下に書いてあります。そう、レポートに貼り付ける場合は「タイトルオプション」を使ってはいけません。
  3. 凡例(グラフの横に四角いマスで囲われた系列の説明)は系列が複数の時に必要なものです。系列が1つしかない図では凡例を「削除」して下さい。逆に系列が複数の場合は必ず、凡例を使ってデータ系列の説明を付けて下さい。よく、「系列1」「系列2」というような凡例ならないような凡例を見かけますが、きちんと説明になる用語を書くようにして下さい。「系列1」を意味のある文字列に変えるためにはグラフの上で右クリックし「データの選択」メニューを使って変更して下さい。
  4. 「散布図」オプションを使う場合は、点を「平滑線」で結んではいけません。必ず「散布図(直線)」オプションを使うこと。
  5. 散布図オプションを使って折れ線グラフを描く場合、元データを記号(マーカ)によって示しておくのが原則です。ただし、データの数が多く、各点の記号(マーカ)が重なってしまうような場合は、つながってしまうような場合はマーカは非表示にしてください(グラフの上で右クリックして、表示されるメニューの中から「データ系列の書式設定」メニューを選んで下さい)。
  6. 軸には必ず名称を付けること。
  7. 横軸の表示項目が多い場合、部分的にしか表示されない場合があります。そういう場合はフォントを小さくする必要があります。全てが表示されていることを必ず確認して下さい。また、横軸が数値の場合、目盛りをシステム任せにすると中途半端な数字が表示させてしまいます。目盛りの間隔を大きくし、なるべくキリの良い数を表示させるべきです(横軸の上で右クリックし、表示されるメニューから「軸の書式設定」を選んで下さい)。
  8. 棒が1本しかないヒストグラム(長方形が1つだけ)を書いてもしょうがない。
  9. 連続量のヒストグラムを描く場合は隣同士の棒は接していなければいけません。この場合も、グラフの上で右クリックし、表示されるメニューから「データ系列の書式設定」を選んで下さい
  10. 折れ線グラフを見ると回帰直線を書いてみたくなるものですが、意味のない場合もありますよ。よくよく考えてから実行して下さい。