Word メモ:スタイルシートの使い方

  1. スタイルの使い方
    1. 「論文本文」の書式設定
    2. 見出し行のスタイル変更
    3. 章・節番号付けの自動化
    4. 見出し行のフォーマット変更
    5. 数式用のスタイル作成
    6. 「論文図表」のスタイル作成
    7. 目次の作成
  2. 数式エディタ

文書を書く場合、全体の書式(体裁)を統一することは重要なことです。短い文書ならば一気に書き上げることで、書式の統一を意識しなくても整った文書を作 成することができますが、論文のようにページ数の多い文書になると、常に体裁を意識しながら作業することは容易なことではありません。しかし、スタイル シートを使うことによって、体裁を整えることを意識しないでも、統一感のある文書を作成することができるようになります。その使い方に慣れておくと、将来 に何かの役に立つかもしれません。

スタイルの使い方

スタイルウィンドウを表示させるには、「ホーム/スタイル」タブの右下コーナーをクリックします。あるいは、ショートカットキーの「Alt+ Ctrl+Shift+S」を使います。

スタイルシートを使うことによって、以下のようなことが、マウスのクリックだけで簡単に達成できるようになります。

まず、スタイルのことは気にせず、文章を入力します。章のタイトルも改行だけは守り、フォントの大きさや,中央揃え、段落ごとの字下げなどは気にしないで 下さい。本文を1段落入力したところで、次の「書式設定」作業に進みます。

「論文本文」の書式設定

「ホーム/スタイル/クィックスタイル」の右下を右クリックして表示されるウィンドウの下の方にある「選択範囲を新しいクィックスタイルとして保 存...」を選択、「論文本文」と いう名前で保存する。

  1. 「ホーム/スタイル」の右下隅の矢印をクリックして「スタイル」ウィンドウを表示させる
  2. 「スタイル」ウィンドウから「論文本文」の右端の下向き矢印を右クリックして、ポップアップメニューから「変更」を選択する
  3. 「スタイルの変更」ウィンドウで「書式」を「MSP明朝」「10.5pt」とする
  4. 左下の「書式」ボタンをクリックし、「段落」を選択する
  5. 「段落」ウィンドウで「インデント/最初の行」を「字下げ」とし、幅」を「1字」とする。また、「間隔/行間」を「1.5行」とする
  6. 「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」のチェックマークを外す
  7. 「OK」ボタンをクリック、もう一度「OK」ボタンをクリック

これで、「論文本体」の書式が設定されたので、標準的な段落はすべてこの書式を設定する。と意識しなくても、このまま入力すれば、改行して段落を区 切ると次の行の入力位置は字下げされるなど、自然に「論文本体」の書式が適用される。

書式を使うことにより、もし本文の行間隔を1.5行でなく2行おきにしたい、というような場合でも、上の2項のような手順で、「論文本体」の書式を 変更することにより、文書全体の「論文本体」書式を使っている段落すべてが一斉に変更される。

見出し行のスタイル変更

章見出し、節見出しの書式は次のようにして設定します。

  1. 「見出し1」の右側をクリック、「変更」を選択
  2. 「スタイルの変更」ウィンドウで「書式/フォントサイズ」を「MSPゴシック/14pt」とし、「中央揃え」アイコンをクリック、「自動的に 更新する」にチェックマークを入れ、「OK」ボタンをクリックする
  3. 「見出し2」の右側をクリック、「変更」を選択
  4. 「スタイルの変更」ウィンドウで「書式/フォントサイズ」を「MSPゴシック/12pt」とし、「左揃え」アイコンをクリック、「自動的に更 新する」にチェックマークを入れる
  5. 左下の「書式」ボタンをクリックし、「段落」を選択する
  6. 「段落」ウィンドウで「間隔/段落後」を「0.5行」として「OK」ボタンをクリックする
  7. 「OK」ボタンをクリックする

章・節番号付けの自動化

章番号や節番号を手動で入力していると、挿入や削除があるたびに全部付け替えなければいけなくなるなど、手間がかかります。スタイルシートを使え ば、それを自動化することができるようになります。

  1. 「章」見出しの行にカーソルを置いて、「スタイル」ウィンドウの「見出し1」をクリック
  2. 「ホーム/段落/アウトライン」をクリックして、適当なアウトラインの書式を選ぶ
  3. 見出しの行にカーソルを置いて、「スタイル」ウィンドウの「見出し2」あるいは「見出し3」をクリック
  4. 「ホーム/段落/アウトライン」をクリックして、「見出し1」と同じアウトラインの書式を選ぶ
  5. これをすべての見出し行について行う

見出し行のフォーマット変更

たとえば、「見出し1」を「第1章」、「見出し2」を「1.1」のようにしたい場合は次のようにします。

  1. 「見出し1」の書式を設定した行にカーソルを置く
  2. 「ホーム/段落/アウトライン」をクリックして、「新しいアウトラインの定義」をクリック
  3. 「新しいアウトラインの定義」ウィンドウで、「変更するレベル」を「1」とし、「番号書式」の「1」の前に「第」、「1」の後に「.」の代わ りに「章」を入力する

数式用のスタイル作成

  1. 「ホーム/スタイル/その他」の右下をクリックして「選択範囲を新しいクィックスタイルとして保存...」を選択(この例では「論文数式」と いう名前で保存)
  2. 「ホーム/スタイル」の右下隅の矢印をクリック
  3. 「スタイル」ウィンドウから「論文数式」をクリック、さらに右端の下向き矢印をクリック、「変更」を選択
  4. 左下の「書式」ボタンをクリックし、「段落」を選択
  5. 「段落」ウィンドウで「インデント/左」を「3字」とする
  6. 右下の「タブ設定」をクリック
  7. 「タブ位置」を「40字」、「配置」を「右揃え」とする使い方
  8. 本文中に改行して数式を数式エディタで作成し、タブを打って、数式番号(半角で(3.2)のように)を入力する
  9. 改行して、数式の行にカーソルを戻し、「スタイル」ウィンドウから「論文数式」をクリック

「論文図表」のスタイル作成

図表は中央揃え、キャプションも中央揃えでゴシック書体、という書式も「論文図表」という書式を登録しておけばよい。

 

目次の作成

目次を本文を見ながら間違いなく作成するのはかなりの根気を要する作業で、章番号節番号同様、挿入や削除によってすべて作り直し、ということもあっ たりして、面倒です。ワードの目次作成機能を利用しましょう。

  1. 「見出し」書式を使って章、節タイトルを入力します。目次の自動作成を利用するには,スタイルシートを使う必要があります。
  2. 目次用のページを確保(「挿入/改ページ」を2回選択して空ページを作る)
  3. 「参考資料/目次/目次」をクリックして、適当なオプションを選択


数式エディタ

ワード2007以降に標準で付いている「数式」でも(以降、数式2007と呼ぶ)、ワード2003までの標準であった「数式3.0」を使っても良い。両者でデフォルトのフォントが違うので、どちらかに統一した方が良い。

それぞれにデメリットがある。数式3.0の場合は、仕上がりの印象が雑、たとえば、下付文字や、定積分で積分範囲を指定したときのように違う大きさの文字を組み合わせる場合に重なってしまい、手を加えないと正確に伝わらないというかなり大きな問題がある。特に積分記号を使う場合は要注意。インラインモードで下付き文字を入力すると行間が自動的に広げられ、間延びした印象になる(ので、行間設定が必要になる)。数式エディタを使いたい場合、一々「挿入」→「オブジェクトの挿入」メニューを選択しなければいけないので煩わしい。フォントの大きさは本文の大きさと無関係に、前回設定した大きさが使われる(パワーポイントで大きなフォントを使った場合に困る)。
一方の数式2007は、標準が立体になっているので(バグ?)一々イタリックに変更しなければいけない(Ctrl+iと入力すれば良いのだが、忘れがちで、煩わしい)、数式番号を付ける場合に一々表環境を設定しなければいけないので、面倒、というようなことがある。

どちらも,一長一短、慣れと好みの問題だが、これから使おうという人には数式2007を勧める。ショートカットを覚えると、たいていはマウス(テンプレート)を使わずに数式入力が可能になるからである。詳しい使い方がここにまとめてあるので、参照のこと。

数式2007を使う場合は、挿入したい箇所でAltキーとShiftキーを押しながら「=」キーを押し、すぐにCtrlキーを押しながら「i」キーを押す。インライン(文章の途中)ならばその位置に、行頭の場合は中央に「ここに数式を入力します。」と表示された入力用のミニウィンドウが表示されると同時に「デザイン」というタブのリボンが表示され、数式入力に必要なテンプレートや文字記号パネルが表示される。入力はもちろん英数字直接入力モード。終了する場合は右向き矢印キーを押すだけで良い。

数式3.0の場合は、「挿入」→「テキスト」→「オブジェクトの挿入」→「オブジェクト...」メニューから「Microsoft 数式3.0」を選ぶ。そうすると、太い枠の長方形が表示されルと同時に、テンプレートが印字されたミニウィンドウが表示されると同時に、メニューが数式用に変更され、数式入力モードになる。数式入力を終了する場合は、太枠の外をクリックする(と,入力が確定する)。

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